猟銃許可取り消し
画像: AI生成

2026年3月27日、最高裁第3小法廷がヒグマ駆除をめぐる猟銃所持許可取り消し訴訟で、北海道砂川市のハンターの逆転勝訴を確定させた。猟銃所持許可の取り消し処分を違法と判断する最高裁の判決は初めてであり、全国のハンターや有害鳥獣駆除の現場に大きな影響を与えるとして速報で広く報じられた。

事件の発端は2018年8月にさかのぼる。砂川市の要請を受け、市職員と警察官が立ち会う中でライフル銃を1回発砲してヒグマを駆除したハンターが、翌2019年4月に北海道公安委員会から「民家に向けた危険な発砲」として猟銃所持許可を取り消された。2021年12月の一審・札幌地裁はハンター側の全面勝訴を言い渡したが、2024年10月の二審・札幌高裁は跳弾リスクを重視して逆転敗訴の判決を下した。これを不服としてハンター側が上告し、今回の最高裁判決に至った。

最高裁は今回の判決で、公安委の処分について「ハンターが発砲することをためらわせ、萎縮させている酷な処分」と指摘し、権利の乱用にあたると判断した。行政の要請に応じてボランティアに近い形で危険な駆除作業を担ったハンターが、後から一方的に許可を取り消されるという構図に対し、司法が明確にノーを突きつけた形だ。

この判決が特に注目される背景には、深刻化するクマ被害とハンター不足の問題がある。2025年の北海道警察へのクマ関連通報は5000件を超えて過去最多を記録。一方で北海道猟友会は2024年11月、ヒグマ駆除要請への原則不応方針を検討するなど、駆除を担う人材の確保が喫緊の課題となっていた。2025年9月からは市街地でのクマ駆除を可能にする「緊急銃猟制度」も開始されており、今回の最高裁判決はこうした制度の実効性を支える重要な司法判断として位置づけられる。

今後は、今回の判決を受けて萎縮していたハンターが駆除活動に復帰するかどうか、また北海道猟友会の駆除要請への対応方針がどう変化するかが注目される。一方で、訴訟に費やされた約8年間の損失や、猟友会の非協力方針が広まった影響を取り戻せるかどうかについては、依然として課題が残るとの見方もある。