2026年3月25日、百貨店大手のそごう・西武が西武渋谷店(東京都渋谷区)を同年9月末に閉店すると発表した。閉店対象はA館・B館・パーキング館で、売場面積の合計は約3万2000平方メートルに上る。雑貨店が入居するロフト館と無印良品が入るモヴィーダ館は営業を続ける見通しだが、「西武渋谷店」の看板は下ろされることになる。
閉店の直接原因は、店舗の土地・建物を所有する地権者との賃貸借契約交渉が合意に至らなかったことだ。A館の土地・建物は松竹映画劇場、B館は国際がそれぞれ所有しており、再開発をめぐる交渉が頓挫した。日本経済新聞の報道によれば、西武渋谷店は当初、家電量販店大手のヨドバシホールディングスに一部の土地や建物を売却して改装する方針だったが、この計画も実現しなかった。そごう・西武は今後、旗艦店である西武池袋本店に経営資源を集中させる方針だ。
背景には収益力の低下もある。渋谷駅周辺では渋谷スクランブルスクエアなど大規模商業施設が相次いで開業し、競争が激化していた。1968年4月19日に西武百貨店渋谷店として開業して以来58年、かつてはセゾン文化・若者文化の発信地として渋谷を象徴する存在だったが、近年は客足が遠のいていたとの声も多い。
渋谷では2020年に東急百貨店東横店、2023年に東急百貨店本店が相次いで閉店しており、西武渋谷店の閉店によって渋谷から百貨店が消えることになる。「シブヤの終わり」「渋谷が俺の知らない街になる」といった声がSNS上で広がり、衝撃の大きさを物語っている。
一方、4月24日から西武渋谷店を会場に開催予定だった「エゴ展」渋谷会場については、閉店発表後も開催予定が維持されているが、今後の動向を心配するファンの声も上がっている。跡地の再開発については、松竹映画劇場などが独自で再開発計画を進めているとされており、今後の動向が注目される。
【日経特報】「西武渋谷店」9月末閉店 そごう・西武、再開発めぐる交渉頓挫 https://t.co/bDKwGIGqjD