紀州のドン・ファン
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2026年3月23日午後、大阪高裁が「紀州のドン・ファン」こと和歌山県の資産家・野崎幸助さんの死亡を巡る殺害事件の控訴審判決を言い渡し、元妻・須藤早貴被告に1審に続き無罪判決を下した。この結果が速報で伝わると、SNS上で「紀州のドン・ファン」がトレンド入りした。

野崎さんは2018年5月24日に急性覚醒剤中毒で死亡(当時77歳)。捜査の結果、元妻の須藤被告が起訴されたが、2024年12月12日の和歌山地裁(裁判員裁判)での1審判決はすでに無罪だった。検察側はこれを不服として控訴したが、2025年12月8日の控訴審初公判で検察側が請求した証人尋問・証拠調べがすべて却下され、即日結審という異例の展開となっていた。

無罪の核心的な理由は「証拠の不十分さ」にある。覚醒剤の売人とされる2人の証言が真っ向から食い違い、1人は「本物の覚醒剤を渡した」と証言した一方、もう1人は「氷砂糖だった」と証言。被告が受け取ったものが本物の覚醒剤だったかどうかを確定できず、また野崎さんが自ら誤って致死量を摂取した可能性も否定できないとして、裁判所は「犯行に合理的疑いが残る」と判断した。

注目すべき点は、無罪判決が出ても須藤被告がすぐに釈放されるわけではないことだ。別件の詐欺事件で3年6ヶ月の実刑判決を受けており、身柄は引き続き拘束されたままとなっている。

2018年の野崎さん死亡から約8年、長期にわたって世間の注目を集めてきたこの事件は、1審・2審ともに無罪という結果で司法判断が下された。検察が上告するかどうかが今後の焦点となる。