フジクラ(東証プライム:5803)が「フジクラショック」と呼ばれる急落劇を引き起こし、個人投資家・デイトレーダーの間で大きな話題となっている。
発端は2026年5月14日の決算発表だ。2026年3月期は売上高1兆1,824億円(前期比+20.7%)、営業利益1,887億円(+39.2%)、純利益1,571億円(+72.5%)と5期連続で過去最高を更新する好決算だった。しかし同時に示した2027年3月期の業績見通しが問題となった。純利益見通しは1,560億円(前期比1%減)で、市場予想の1,955億円を約400億円下回り、営業利益も市場予想2,636億円に対して2,110億円にとどまった。この「期待値の崩壊」が引き金となり、株価はストップ安(前日比-19.09%)に急落した。
さらに5月19日(本日)、フジクラは新中期経営計画(2027〜2029年度)を発表した。2029年3月期の営業利益目標として3,150億円を掲げ、生成AI・フュージョンエネルギー・M&Aなどへの5,300億円以上の投資と、株主還元2,200億円以上(配当性向40%目安)を計画した。しかしこの目標値も市場コンセンサスを下回ると受け止められ、株価の下げ幅はさらに拡大した。
急落の背景には複合的な要因がある。フジクラはAIデータセンター向け光ファイバーケーブルで業界標準の地位を確立し、AI投資ブームを追い風に株価は高値7,933円まで上昇。PER66.94倍・RSI77と過熱状態にあったところへ、製造工程の水素供給制約懸念も重なり、利益確定売りが一気に膨らんだ。高値から4日間で約33%下落し、今年の安値と高値の約47.4%押し(ほぼ半値)という水準まで売り込まれた。
この急落は個別銘柄にとどまらず、5月15日の日経平均株価が1,244円安で終値となる一因にもなった。古河電工・アドバンテスト・三菱重工など関連銘柄への波及懸念も注目を集めている。今後は新中計に盛り込まれた大型投資計画の実現性と、AI向け光ファイバー需要の持続性が株価回復のカギを握ると見られている。
*フジクラ:2028年ROE目標は28.5%-新中計 *フジクラ:配当性向40%を目安とした還元、2026-2028年中期経営計画