2026年4月2日午前7時24分(日本時間)、NASAの有人月周回ミッション「アルテミスII」がフロリダ州ケネディ宇宙センターの39B射点から打ち上げられた。1972年のアポロ17号以来、実に約半世紀ぶりとなる有人月周回飛行の実現に、世界中から注目が集まっている。
ミッションには宇宙飛行士4名が搭乗している。コマンダーのReid Wiseman、パイロットのVictor Glover、ミッションスペシャリストのChristina Koch(以上NASA所属)、そしてカナダ宇宙庁のJeremy Hansenの4名だ。使用ロケットはSLS(スペース・ローンチ・システム)、宇宙船はオリオン(Orion)で、約10日間の飛行で月を周回した後、地球に帰還する予定となっている。なお今回のミッションは月面着陸は行わず、あくまで月周回飛行と宇宙船・ロケットの試験が主な目的だ。
打ち上げ前日の3月30日にはミッションマネジメントチーム(MMT)が「Go」判定を下し、カウントダウン作業は順調に推移。打ち上げ当日の天候も良好で、基準を満たす確率は80%と報告されていた。打ち上げ直前には打ち上げ中断システムのバッテリー温度に関する事象が確認されたが、計器の不具合と判断され、打ち上げへの影響はなかったとされている。
このミッションが特に注目を集めている背景には、アポロ計画終了から半世紀という歴史的な節目があることに加え、将来の月面着陸(アルテミスIII)に向けた重要なステップという位置づけがある。また、将来的には日本人宇宙飛行士の月面到達も計画されており、日本国内でも関心が高い。
打ち上げ当日が満月(ピンクムーン)と重なったことも話題性を高め、宇宙ファンだけでなく一般の人々にも「月を見ながら宇宙飛行士に思いを馳せる」という感情的な共鳴が広がった。NASAのYouTubeライブ配信は日本時間午前1時50分から開始され、深夜にもかかわらず多くの人がリアルタイムで歴史的瞬間を見届けた。
今後の注目点は、約10日間の飛行を経てクルーが無事に地球へ帰還できるかどうかだ。アルテミスIIの成功は、次のステップである月面着陸ミッション「アルテミスIII」の実現に向けた大きな礎となる。
アルテミスIIの地表からの高度がISSの飛行高度である400 kmを超えた 恐らくこの時点で21世紀になってから人類が到達した最遠距離になったはず https://t.co/p2gKJp5I8h