「わさビーフ」が今トレンドになっているのは、ホルムズ海峡封鎖という国際情勢が、国民的スナック菓子の製造停止という身近な形で日本の日常生活に直撃したからだ。
山芳製菓は2026年3月12日付で公式サイトに「製品供給に関する重要なお知らせ」を掲載。「国際情勢の影響によりホルムズ海峡が封鎖され、弊社が製造工程で使用している重油の調達が極めて困難な状況となっております」と説明し、兵庫県朝来市にある関西工場の操業を一時停止すると発表した。この工場は山芳製菓唯一の直営工場で、自社ポテトチップスの約9割を製造している。さらに3月16日よりヤマヨシ直売所オンラインショップも一時休業し、新規注文の受付も停止。営業再開の目途は現時点で立っていないという。
わさビーフは1987年から発売されている山芳製菓の看板商品だ。その製造が突然止まるという事態が、多くの人にとって「ホルムズ海峡封鎖」という抽象的な国際ニュースを一気に身近な問題として実感させた。
背景にあるのは日本のエネルギー構造の脆弱性だ。日本は原油の約93〜95%をホルムズ海峡経由で輸入しており、同海峡の通航隻数は1日120隻から5隻へと激減し、事実上の封鎖状態となっている。WTI原油先物価格も2月27日の67.02ドルから3月9日には119.48ドルまで約78%急騰した。
SNS上では「わかりやすい形で影響が表れはじめた」「想像以上に展開が早い」と驚きと不安が広がっている。また、重油ボイラーを使用する食品・化学・繊維などの中小製造業が同様の操業停止に追い込まれる可能性を懸念する声も多く、「わさビーフは序章に過ぎない」という見方も広まっている。転売・買い占めへの警戒感も早くも浮上しており、今後の動向が注目される。