南海フェリー
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2026年3月30日、南海電気鉄道が和歌山港〜徳島港を結ぶ南海フェリーのフェリー事業から2028年3月末をめどに撤退すると正式発表し、鉄道・旅行ファンや地域住民の間で大きな衝撃が走っている。

南海フェリーは1975年に設立され、約50年にわたって和歌山と徳島を約2時間15分で結んできた。現在は1日8往復16便を運航しており、「フェリーかつらぎ」(1998年就航)と「フェリーあい」(2019年就航)の2隻体制で運営されている。

撤退の直接的な理由は、老朽化が著しい「フェリーかつらぎ」の船体更新に40億円以上が必要な一方、その費用を捻出できないことにある。2021年度以降は債務超過の状態が続いており、2020年度に5億3200万円、2021年度に4億6200万円の赤字を計上。利用者数は1998年の明石海峡大橋開業以降に大幅に落ち込み、2020年度には約19万人まで減少した(2024年度は約35万人に回復)。

特に注目されているのが、撤退時期が2028年3月末より早まる可能性だ。「船員は引く手あまたな状態で、すぐに引き抜きが始まる」との報道が広まっており、安全運航に支障が生じた場合は前倒しで撤退するとも発表されている。2019年に新造船「フェリーあい」を就航させたばかりという事実も、撤退発表への驚きをさらに増幅させている。

SNS上では、四国遍路や高野山参拝の重要ルートが失われることへの懸念、「和歌山ラーメン→船旅→徳島ラーメン」という旅行体験の喪失を惜しむ声、トラック物流への打撃を心配する声など、単なる交通手段を超えた多面的な影響が語られている。また、フェリーとの接続を担う南海電鉄の和歌山港線(和歌山市〜和歌山港)の存廃を心配する声も上がっている。

今後は航路の引き継ぎ先を募る方針とされているが、具体的な後継事業者は現時点では明らかになっていない。乗り納めを検討するなら、前倒し撤退のリスクを念頭に早めの行動が求められそうだ。