祖父江さん
画像: AI生成

日本のブックデザイン界を牽引してきた祖父江慎さんの訃報が4月27日に公表され、出版・デザイン業界を中心に広く追悼の声が広がっている。

祖父江さんは1959年愛知県生まれ。1990年にデザイン事務所「コズフィッシュ」を設立し、アートディレクター・ブックデザイナーとして活躍した。さくらももこさんの多くの書籍や、夏目漱石『こころ』刊行100年記念新装版など、数多くの書籍の装丁・デザインを手がけたことで知られる。東京藝術大学美術学部デザイン科の非常勤教員・ゲスト講師も務め、次世代のデザイナー育成にも貢献した。

逝去は2026年3月15日、東京都の自宅で、享年66歳だった。訃報が公表されたのは約6週間後の4月27日。妻が祖父江さんのXアカウントに「夫・祖父江慎は3月15日に逝去いたしました」と家族からの報告として投稿し、同日13時06分から共同通信をはじめ複数のメディアが一斉に報じた。

訃報公表のタイミングが、遺著となる『朝のデザインさん』『夜のデザインさん』(パイ インターナショナル刊)の見本がコズフィッシュに届いたことと重なったことも、大きな反響を呼んだ要因となっている。完成した本を手にすることなく旅立った事実が、関係者や読者の感情を強く揺さぶった。

追悼の声は出版・デザイン業界にとどまらず、音楽関係者やアニメ制作者、一般読者にまで広がっている。「まだ66歳」「早すぎる」という言葉が繰り返され、突然の逝去への衝撃と惜しむ気持ちが強く表れている。コズフィッシュの元スタッフや、祖父江さんと仕事をともにした編集者・クリエイターたちが、それぞれの思い出や影響を語る投稿を相次いで公開している。

遺著2冊は4月27日に刊行が発表されており、祖父江さんの仕事と言葉を伝える作品として注目が集まっている。